2006年2月 B1レポート 「今、想うこと」

  •   03, 2006 19:46
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2月 B1レポート
日本ブラジル交流協会第25期生 鈴木湖太郎

「今、想う事」
 

小さい頃、「自分は将来外国に住むんだ」となんとなく漠然と思っていた。

ひたすら走り回っていた小学生時代、将来プロのテニス選手かアメリカで"ひら"の警察官になると思っていた。
小6で父親とスノーボードを始めた。

髪型や服装にこだわりだした中学生時代、先輩後輩の上下関係というものに生まれて初めて出会った。友達もグレ始め、ワルが流行りだした。まだ狭い世界にいた。将来なりたいものはアメリカの警察官かプロのスーのボードの選手だった。ただ漠然と「なりたい。なるんだ。」と思っていただけ。

酒、服、音楽、恋、部活、色んなものが自分の意識の中に入ってきて、
また色んなものに一喜一憂していた高校時代。あほな事も沢山やって、それが最高に楽しかった。将来なりたいものがこの時期に無くなった。それでも少しずつ先のことを考え始めなければいけないと感じ始めていた。なんの疑問も持たずに大学入試の勉強をして、大学生になった。

大学に通う意味が分からないまま大学へ通って、将来の自分の道も全く見え
なくなってモヤモヤした気持のままでいたここ数年。そんな中CAPOEIRAに支え続けられた。

2003年にブラジルに行って、初めてブラジルという国に直接触れた。
そこからだ。自分が、漠然とはしているけれど何かに向かって動き出したのは。
少しだけ将来が見えた。ほんの少し。最初はなんとなく始めたCAPOEIRAだったけれど、だんだん奴が自分の人生のレールの上に現れるようになった。

ニッパクの門を叩いてから約2年。1年のブラジル生活を終えて今ここにいる。
小さい頃の自分に想像出来ただろうか。中学生、高校生、大学入学当初の自分に
想像出来ただろうか。色々な過程を通って今自分はここにいる。沢山の時間と金の無駄遣いをしてきた、それでも全ての人生の事柄が互いに働きあって、今自分はここブラジルにいる。

正直、日本には帰りたくない。もっとここで過ごしたい。切ない気持で胸がいっぱいだ。
しかし、自分の人生は出発日の3月9日(木)で終わるわけではない。今までそうであったように、この先も一本のつながった人生のライン、経験のラインの上を進んでいくんだ。ブラジルでの生活は過去の思い出ではない。別のラインでの出来事ではない。自分はここでの生活の延長線上を前に前に進んでいくんだ。
でも、ここでの1年間の生活は決して自分の心からは遠ざからない。いつも自分の背中の直ぐ後ろにいて、前へ押してくれる。自分の気持次第でそうなる。

だから、日本に帰る事は自分にとって一段落でもなんでも無い、ただ場所が今いる所からちょっと遠い所に移るだけ。自分の勢いは変わらない。
ここに来て気づいた日本の嫌なところ、くだらない所、劣っている所は日本に帰ってもバシバシ弾いていく。日本に適用はするが、決して染まらない。
何故なら自分の直ぐ後ろにはここでの経験がいつもついているから。
ここブラジルで自分の事を待っていてくれる人達がいるから。

ここリオデジャネイロできれいな海や緑に囲まれて美しいものを見ながら
生活してきた。同時に、臭くて汚くて危険な匂いがする町や、沢山の丘のファベーラに囲まれて、殺伐とした空気の中も生活してきた。いろんな意味でカポエラをしてきた(つもり)。
どちらも自分にとても大きなエネルギーをくれた。ここの人間が持つmalandragemもなんとなく肌で常に感じながら生きてきた。
良いmalandragemと悪いmalandragemが自分の中で入り混じって、どこで境界線を引いたらいいのか分からなくなりそうにもなった。
それでもそれら全ては自分の人格を良くも悪くも変えてくれたと思う。そして、自分のカポエラに大きな影響を与えてくれた。だからこの街には感謝の気持でいっぱいだ。愛している。

というわけで、お父さん、お母さん、兄ちゃん、ゆうじさん、あなたの息子、弟、生徒は成長しました。感謝しています。これからもよろしく。

いまは頭と心がカオスで、何も言葉でまとまりません。
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Tag:リオカポエイラブラジル

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